【皮膚科医が教える】ニキビができたときの対応10選。ニキビ跡を残さないために知っておきたいこと

こんにちは。ゆうスキンクリニックの医師 森しほです。

鏡を見たら、突然ニキビができてる…

「早く治したいから、つぶしちゃおうかな」 「とにかく洗顔して、皮脂を落としたほうがいい?」 「高い美容液を使えば、すぐに治る?」

そんなふうに悩んだことはありませんか?

実は、ニキビは単なる肌荒れではありません。医学的には「尋常性痤瘡(じんじょうせいざそう)」という慢性の炎症性皮膚疾患です。毛穴の詰まりや皮脂、皮膚にいる細菌、炎症など、複数の要因が関係しています。

日本皮膚科学会の『尋常性痤瘡・酒皶治療ガイドライン2023』でも、ニキビを適切に治療することの重要性が示されています。

今回は、ニキビができたときに気をつけたいことを10個、医学的な根拠とともに解説します。

ニキビができたとき気をつけたいこと10選

1.ニキビを自分でつぶさない

白く膨らんだニキビを見つけると、つい指で押し出したくなるかもしれません。

しかし、ニキビを無理につぶすと、周囲の組織を傷つけ、炎症を悪化させる可能性があります。その結果、赤みや色素沈着、へこみなどのニキビ跡が残ることもあります。

特に、赤く腫れたニキビや、痛みのあるニキビは要注意です。

早く治したいときほど、触りすぎないことが大切です。

2.洗顔でゴシゴシこすらない

「皮脂が原因なら、何度も洗顔すればいいのでは?」と思う方もいるでしょう。

しかし、洗顔のしすぎや強い摩擦は、肌への刺激になります。

洗顔料をよく泡立て、指でこすらずに優しく洗い、ぬるま湯で十分にすすぎましょう。洗顔は基本的に朝晩を目安にし、汗をかいたときなどは肌の状態に応じて調整します。

ニキビ対策で大切なのは、皮脂を完全に取り除くことではなく、肌への刺激を抑えながら清潔に保つことです。

3.ニキビ肌でも保湿をする

ニキビができると、ベタつきを気にして保湿をやめてしまう方がいます。

でも、保湿を一律に避ける必要はありません。特に、ニキビ治療薬によって乾燥や刺激が生じることもあるため、肌の状態に合わせた保湿が役立ちます。

化粧品を選ぶときは、「ノンコメドジェニックテスト済み」と表示された製品も選択肢になります。ただし、すべての人にニキビができないことを保証するものではありません。

肌が乾燥しているからといって、刺激の強い美容液を重ねるのではなく、まずはシンプルな保湿を心がけましょう。

4.日焼け止めで紫外線対策をする

ニキビが治ったあとも、赤みや茶色い色素沈着が気になることがあります。

炎症が起きた肌では、治ったあとに色素沈着が残る場合があります。日焼け止めなどで紫外線対策をすることは、肌を守るうえで大切です。

ただし、日焼け止めだけでニキビ跡を完全に防げるわけではありません。肌に合う製品を選び、こすらずに落とすことも意識しましょう。

5.メイクは優しく落とす

ニキビができているときは、メイクそのものを一律に禁止する必要はありません。

大切なのは、肌への刺激をできるだけ減らすことです。メイクを落とすときに何度もこすったり、強いクレンジングを使ったりすると、肌への負担になります。

毛穴を詰まらせにくい製品を選び、落とすときも優しく扱いましょう。

6.枕カバーやタオルを清潔にする

毎日枕カバーを交換すればニキビが治る、というわけではありません。ただ、肌に触れるタオルや寝具を清潔に保つことは、日常的な衛生管理として大切です。

また、汗をかいたあとは、肌を強くこすらずに優しく洗い流しましょう。

なお、ニキビは単純に不潔だからできるものではありません。必要以上に自分を責める必要はありません。

7.美容液やピーリングを次々と追加しない

ニキビができると、早く治したい一心で、さまざまな美容液やピーリングを試したくなるかもしれません。

しかし、複数の製品を一度に使い始めると、刺激が強くなったり、肌に合わなかったときに原因がわかりにくくなったりします。

日本皮膚科学会のガイドラインでは、ニキビ治療に関して、化粧品やスキンケアだけでなく、医学的な治療法についてもエビデンスに基づいた評価が行われています。

高価な化粧品をたくさん使うことと、ニキビを適切に治療することは別です。

8.睡眠や生活リズムを整える

睡眠不足が続くと、心身の調子が崩れやすくなります。肌の状態が気になるときも、できる範囲で睡眠時間を確保し、規則正しい生活を心がけましょう。

ただし、睡眠を十分に取ればニキビが必ず治るというわけではありません。ニキビには複数の要因が関係するため、生活習慣の改善だけで治そうとせず、必要に応じて治療を受けることが大切です。

9.食事を極端に制限しない

「チョコレートを食べたからニキビができた?」 「脂っこいものを食べたから?」

食べ物とニキビの関係は気になるところですが、特定の食品を一度食べただけで、ニキビの原因を断定することはできません。

食事とニキビの関連については研究が行われていますが、個人差もあり、食事だけですべてを説明することはできません。

ニキビができたからといって、好きな食べ物をすべて我慢したり、極端な食事制限をしたりする必要はありません。まずはバランスのよい食事を心がけましょう。

10.ニキビが繰り返すなら、皮膚科を受診する

最後に、最もお伝えしたいことです。

ニキビができたとき、セルフケアで何とかしようと頑張る方は多いと思います。でも、ニキビは医療機関で治療できる皮膚疾患です。

2023年の日本皮膚科学会ガイドラインでは、ニキビについて、軽症であっても瘢痕(ニキビ跡)が残る可能性があり、早期治療によって瘢痕を予防できることを示唆するデータがあると説明されています。

また、米国皮膚科学会の2024年の診療ガイドラインは、システマティックレビューに基づき、過酸化ベンゾイルや外用レチノイドなどの治療を推奨しています。重症のニキビや、瘢痕を生じているニキビなどでは、内服治療も含めた適切な治療が重要とされています。

つまり、ニキビ治療は単に今あるニキビを消すだけではありません。新しいニキビをできにくくし、将来的なニキビ跡を防ぐことも大切なのです。

次のような場合は、皮膚科への相談をおすすめします。

赤く腫れたニキビや、痛みの強いニキビがある

同じ場所に何度もニキビができる

ニキビ跡の赤みやへこみが気になる

市販のスキンケアを続けても改善しない

ニキビが気になって、人と会うことや外出がつらくなっている

ニキビの状態や肌質によって、適切な治療法は異なります。自己判断で強い薬や刺激の強い製品を使うよりも、医師に相談して、自分に合った治療を見つけましょう。

ニキビは我慢せず、早めに相談を

ニキビができたときに大切なのは、つぶさない、こすらない、保湿や紫外線対策を心がける、そして必要に応じて医療機関で治療することです。

ニキビは、気合いや根性で治すものではありません。肌質や症状に合わせて、適切に治療していくことが大切です。

「たかがニキビ」と我慢して、ニキビ跡が残ってから後悔する必要はありません。

繰り返すニキビや、跡になりそうなニキビで悩んでいる方は、ぜひ皮膚科に相談してくださいね。

この記事の監修

皮膚科 森医師

森しほ

ゆうスキンクリニック治療最高責任者
皮膚科医/産業医/抗加齢医学会専門医
皮膚科のことなら、どんなことでもお気軽にご相談ください。
あなたのお力になれるよう、全力で診療させていただきます。

参考文献
尋常性痤瘡・酒皶治療ガイドライン策定委員会.「尋常性痤瘡・酒皶治療ガイドライン2023」『日本皮膚科学会雑誌』2023;133(3):407–450。論文・ガイドライン原文
Reynolds RV, et al. Guidelines of care for the management of acne vulgaris. Journal of the American Academy of Dermatology. 2024;90(5):1006.e1–1006.e30。論文原文⁠

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