【医師が解説】怒ってないのに「怖い」と言われる人へ

こんにちは、ゆうスキンクリニック皮膚科医の森しほです。
美容医療というと、「若返り」や「見た目を整えるためのもの」というイメージを持つ方が多いかもしれません。
しかし、メンタルクリニックと美容医療の両方に携わっていると、見た目の変化が人間関係や心理状態に大きく影響する場面をよく目にします。
その代表例が、口角ボトックスと眉間ボトックスです。
◆ 「怒ってる?」と言われたことはありませんか?
患者さんの中には、
「普通にしているだけなのに不機嫌そうと言われる」
「初対面で怖そうな人だと思われる」
「接客業なのに愛想が悪いと思われてしまう」
と悩んでいる方が少なくありません。
実際にお話ししてみると、とても穏やかで優しい方だったりします。
ところが、無意識の表情のクセによって、本来の人柄とは違う印象を与えてしまっていることがあります。
◆口角が下がっていると疲れて見える

口角を下に引っ張る筋肉が強いと、無表情のときでも口角が下がりやすくなります。
すると周囲には、
- 不機嫌そう
- 疲れていそう
- 話しかけづらそう
- 冷たそう
という印象を与えることがあります。
もちろん、本人にそのつもりはありません。
しかし、人間は相手の表情から無意識に感情を読み取ろうとするため、ほんの少しの口角の違いでも印象が変わるのです。
口角ボトックスは、口を下げる筋肉の力を弱めることで、自然な表情のまま口角が少し上がった状態を作ります。
その結果、
「最近機嫌良さそうだね」
「話しかけやすくなった」
と言われる方も少なくありません。
◆ 眉間のシワは「怒り」のサインとして認識されやすい
眉間のシワも同様です。
集中しているだけなのに、
- 怒っている
- イライラしている
- 厳しそう
と誤解されることがあります。
特に真面目な人や責任感の強い人ほど、考え事をすると無意識に眉間へ力が入る傾向があります。
眉間ボトックスによってその筋肉の働きを弱めると、表情全体が柔らかく見えるようになります。
結果として、
- 職場の人間関係が楽になった
- 接客時の反応が良くなった
- 子どもに怖がられなくなった
という感想をいただくこともあります。
◆ 表情は感情にも影響する
心理学には「表情フィードバック仮説」という考え方があります。
これは、
「感情が表情を作るだけでなく、表情も感情に影響する」
というものです。
例えば、笑顔を作ると気分が少し前向きになったり、
逆に眉間にシワを寄せ続けるとストレスや怒りを感じやすくなる可能性があると考えられています。
そのため、眉間ボトックスについては、うつ症状や気分との関連を調べた研究も行われています。
もちろん、ボトックスがうつ病を治療するわけではありません。
しかし、表情が変わることで周囲の反応が変わり、それによって本人の気持ちも少し変わる
そんな好循環が生まれることはあります。
◆美容医療は「本来の自分を伝えやすくする」手段

美容医療というと、外見を変えるものだと思われがちです。
しかし私は、
「本来の自分を、相手に正しく伝えやすくするための手段」
でもあると考えています。
優しい人が優しく見える。
穏やかな人が穏やかに見える。
そんな小さなサポートとして、口角ボトックスや眉間ボトックスが役立つことがあります。
もしあなたが、
「怒ってないのに怒っていると言われる」
「怖そうと言われて損をしている気がする」
そんな悩みを抱えているなら、原因は性格ではなく、表情のクセなのかもしれません。
◆ おわりに
「大げさかな」と思わず、気になることがあればどうぞお気軽にご相談ください。
あなたの印象のお悩み、一緒に考えていきましょう。
この記事の監修

森しほ
ゆうスキンクリニック治療最高責任者
皮膚科医/産業医/抗加齢医学会専門医
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