ストレスで肌荒れするのはなぜ?ニキビ・じんましん・乾燥・かゆみの対処法

こんにちは、ゆうスキンクリニック医師の森しほです!
お肌とメンタル。この二つは、一見すると別々の問題に見えるかもしれません。
けれど実際には、
「仕事が忙しくなってから、急に顔が荒れるようになりました」
「寝不足が続くと、決まってじんましんが出ます」
「ストレスがたまると顎のニキビを触ってしまいます」
といったご相談は少なくありません。
肌の調子が悪いと、それだけで気分が沈んでしまうことがありますよね。
鏡を見るたびに気になる。人と会うのがおっくうになる。
隠そうとしてメイクを重ね、さらに刺激が加わってしまうこともあります。
今回は、ストレスと肌荒れの関係、自宅でできるケア、皮膚科を受診する目安についてお話しします。
◆ ストレスで肌荒れすることはありますか?
あります。
ただし、「肌荒れはすべてストレスが原因」という意味ではありません。
強い緊張や睡眠不足、生活リズムの乱れが続くと、かゆみを強く感じたり、無意識に肌を触ったり、スキンケアが乱れたりすることがあります。
じんましんやアトピー性皮膚炎など、ストレスによって症状が悪化しやすい皮膚疾患もあります。
一方で、肌荒れの原因には、化粧品や洗剤による接触皮膚炎、花粉や乾燥、感染症、薬の影響など、さまざまなものがあります。
「最近ストレスが多いから仕方ない」と決めつけてしまうと、本来必要な治療が遅れることもあります。
◆ こんなご相談がよくあります
Q.仕事が忙しくなると、顔が赤くなってかゆくなります
ストレスや寝不足が悪化のきっかけになっている可能性はありますが、
化粧品によるかぶれ、アトピー性皮膚炎、脂漏性皮膚炎、酒さなど、別の皮膚疾患が隠れていることもあります。
まずは、最近使い始めた化粧品、日焼け止め、洗顔料、シャンプーなどがないか振り返ってみましょう。
赤みが強い時期に、ピーリングやスクラブ、新しい美容液を次々に試すのはおすすめしません。
肌が荒れているときほど、ケアを増やすより、いったん減らす方がよいことがあります。
Q.ストレスがたまるとニキビが増えます
ストレスだけでニキビができるとは限りませんが、睡眠、食事、スキンケア、月経周期、マスクによる摩擦などが重なり、悪化することはあります。
ニキビを早く治したくて、強く洗ったり、アルコールの強い化粧品を何度も使ったりする方もいます。
しかし、刺激が増えると、赤みや乾燥が目立ってしまうことがあります。
繰り返すニキビには、保険診療で使える塗り薬や飲み薬があります。
炎症が続くとニキビ跡が残ることもあるため、「まだ軽いから」と我慢しすぎないでください。
通常の治療で改善しにくいニキビでは、医師の診察や血液検査を行ったうえで、自由診療のイソトレチノインが選択肢になることもあります。
ただし、乾燥などの副作用があり、妊娠中、妊娠を予定している方、授乳中の方などには処方できません。
自己判断で個人輸入する薬ではありません。
Q.疲れるとじんましんが出ます
ストレスは、じんましんを悪化させる要因の一つです。
とはいえ、体温の変化、圧迫、摩擦、薬、感染症などが関係する場合もあります。
原因が一つに決められないことも珍しくありません。
唇や舌が腫れる、息苦しい、のどが詰まる感じがする、嘔吐や強い気分不良を伴う場合は、通常の皮膚科受診を待たず、速やかに救急医療を利用してください。
じんましんに気道症状などを伴う場合は、アナフィラキシーとの鑑別が必要です。
◆ 自宅でできる肌荒れ対策

症状が軽く、急激に悪化していない場合は、まず次のようなケアを試してみてください。
・洗いすぎない
熱いお湯、ナイロンタオル、スクラブ、強いクレンジングは、荒れている肌には刺激になることがあります。
洗顔料を使う場合は、よく泡立て、指でこすらず、短時間で流しましょう。
洗ったあとにタオルを押しつけるようにして水分を取ります。
・保湿は「刺激が少ないものを、きちんと」
化粧水がしみるときに、我慢して重ね塗りする必要はありません。
香料や多くの美容成分が入った製品をいったん休み、低刺激の保湿剤やワセリンなど、成分が比較的シンプルなものに切り替える方法があります。
ただし、どの製品でも合わないことはあるため、赤みやかゆみが強くなる場合は中止してください。
・触らない仕組みをつくる
ストレスが強いと、考え事をしながらニキビを触る、かさぶたを剥がす、かゆい場所を掻き続ける、といった行動が増えることがあります。
「触らないように頑張る」だけでは難しいものです。
爪を短くする、机に鏡を置かない、ニキビを触りそうになったら手に保湿剤を塗るなど、
別の行動に置き換えてみましょう。
・睡眠を完璧にしようとしない
「肌のために8時間寝なければ」と考えるほど、眠れないこともあります。
まずは起きる時間を大きくずらさない、寝る直前までスマートフォンを見ない、入浴後にスキンケアを済ませる。このくらいからで十分です。
◆ ヒゲ剃り負け、カミソリ負けも皮膚科に相談できます
ヒゲや体毛を剃ったあとに、赤み、痛み、かゆみ、ニキビのようなブツブツが出ることがあります。
切れ味の落ちたカミソリを使わない、毛がやわらかくなってから剃る、毛の流れに逆らって何度も往復しない、剃ったあとに保湿する、といった工夫が基本です。
それでも膿を持ったブツブツが繰り返される場合は、毛穴に炎症や感染が起きている可能性があります。
抗菌薬などによる治療が必要になることもあります。
毎日の自己処理そのものが負担になっている場合は、医療脱毛によって剃る頻度を減らす方法もあります。
ただし、赤みや炎症が強い時期に無理にレーザーを当てるのではなく、先に肌の状態を診察することが大切です。
◆ 保険診療では何ができますか?
診断によって異なりますが、ニキビ、アトピー性皮膚炎、じんましん、接触皮膚炎、乾燥による湿疹、カミソリ負けに伴う炎症などは、保険診療の対象になる場合があります。
塗り薬、飲み薬、保湿剤などを使いながら、症状の原因や悪化要因を整理します。
「皮膚科に行くほどではない」「こんな軽い症状で受診してよいのかな」と迷う方もいますが、まず保険診療で肌の病気がないか確認し、炎症を落ち着かせることが先になるケースは多いです。
◆美容治療を考えるのは、炎症を落ち着かせてから
赤みやかゆみが強い状態では、美容施術よりも皮膚疾患の治療を優先します。
炎症が落ち着いたあとも、シミ、色素沈着、毛穴、ニキビ跡、クレーターなどが気になる場合には、状態に応じて自由診療を検討できます。
たとえば、シミや肝斑、くすみ、ニキビ後の色素沈着では、ハイドロキノンやビタミン内服、ヤグレーザーによるトーニングなどが選択肢になります。
シミに見えても別の病変であることがあり、治療方法を誤ると悪化する可能性もあります。診断を受けてから選びましょう。
毛穴の開きやニキビ跡の凹凸には、フラクショナルレーザーやダーマペンが検討されることがあります。ダーマペンには赤み、乾燥、内出血などのリスクがあり、重度のニキビや感染症、妊娠中など、施術を控える状態もあります。
表情を動かしたときに目立つ眉間や額、目尻のしわにはボトックス、顔のたるみやフェイスラインにはHIFUが選択肢になることがあります。乾燥じわや湿疹に対する治療とは目的が異なるため、悩みの種類を見分ける必要があります。
すべての施術を受ける必要はありません。
むしろ大切なのは、「今の悩みは病気なのか」「炎症を治す段階なのか」「肌が落ち着いたあとの跡を治療する段階なのか」を整理することです。
◆ 皮膚科を受診したほうがよい目安

次のようなときは、市販品だけで様子を見続けず、皮膚科へご相談ください。
- 赤みやかゆみが数日たっても改善しない
- 症状が急速に広がっている
- 痛み、膿、出血、水ぶくれがある
- 同じ場所に何度も症状が出る
- 市販薬を使うとかえって悪化する
- ニキビが治ったあとに跡が残り始めている
- 肌荒れが気になり、仕事や外出、人付き合いに影響している
- 睡眠不足や気分の落ち込みも続いている
肌の症状とストレスのどちらが先か、はっきり分けられないこともあります。
肌が荒れるから気持ちが落ち込む。気持ちが落ち込むからケアができず、さらに肌が荒れる。そんな循環に入ってしまう方もいます。
ゆうスキンクリニックでは、保険皮膚科と美容皮膚科の両方を行っています。
また、ゆうメンタルクリニックと連携し、こころの不調についても相談できる体制があります。
「皮膚科と美容皮膚科のどちらを予約したらよいか分からない」という段階でも構いません。
まずはお気軽にご相談ください。
今のお肌の状態に必要な治療と、目指す状態とこれからできることを、一緒に考えていきましょう。
この記事の監修

森しほ
ゆうスキンクリニック治療最高責任者
皮膚科医/産業医/抗加齢医学会専門医
皮膚科のことなら、どんなことでもお気軽にご相談ください。
あなたのお力になれるよう、全力で診療させていただきます。
