教育系ライター ・YouTuberの9浪はまい(濱井正吾)さんの
【コンプレックスがあって前に進めない人への処方箋】
様々な道の専門家が
一日院長となって悩める方に処方箋を出すコーナー
今回は
9浪はまい(濱井正吾)さんと当院の森医師が対談しました!
森:はじめまして!
浪人経験者ということで勝手に親近感を持っています。
お会いできて嬉しいです!
濱井正吾さん(以下、濱):よろしくお願いします!
森:最近は東大の院を受けられたと聞いております、お疲れ様でした。
濱:そちらは二次試験の面接が先日ありまして、不合格となってしまいました…。
森:あ…そうだったんですね…。
すみません結果を知らずに…。
濱:いえいえ、また来年挑戦します!
森:さすが、前向きですね。
応援しております。
■ コンプレックスをバネに大学進学を決意
森:早速なのですが、なんで濱井さんは9浪されたんでしょうか?
濱:それにはまず、私の出身について説明する必要があります。
私は兵庫県の山間部に生まれまして…、
兵庫県って進学率がとても高いんですよね。
森:灘高校があるところですよね!
進学校が多いイメージがあります。
濱:そうですよね。
ところが、兵庫県は県内の格差がとてもある地域で、
私の出身である丹波地域では大学に進学する人がほとんどいなかったんですよ。
だいたいが、商業高校などに進学する地域でした。
成績は学校の中では悪くない方…
むしろ良い方でしたが、
親からは「大学になんて行かなくていい、高校を出たら働くものだ」と言われていました。
森:なるほど、ご家族もお友達も大学に行く雰囲気ではなかったんですね。
濱:はい。
商業高校であれば
簿記や会計を学べるし、進学も就職も出来る、「つぶしが効く」と言われていました。
その地域で就職するのであれば、ある意味で正しいんですよ。
そして私自身も商業科のある高校に進学しました。
森:そういった感覚って、環境によるものがとても大きいですよね。
むしろその中で大学進学を考えると変わり者のように見られませんか。
なんで濱井さんは大学進学を目指されたのでしょう??
濱:実は高校でイジメにあいまして…
野球部内でのイジメがひどかったですね。
クラスでも、野球部ほどではないにせよ、軽くイジメがありました。
森:つらいですね。
勝手な想像ではありますが、
その集団の中で「イジメ=悪」と認識していなさそうな気がします…。
そのまま地元で就職すると、加害者達とも距離を取れないのですよね?
濱:そうですね。
閉鎖的な空間なので
「イジメられた方に原因がある」という考え方も根付いているように感じましたね。
加害者と直接顔を合わせないにしても、
近くにいるというだけで安心して暮らせないと思いました。
森:それはありますよね。
でも、地元を離れたいと思うところまではわかるんですが、
なぜ大学進学をしようと思ったのでしょう?
濱:当時の自分は、
イジメが環境のせいとは思えなかったんですよね。
今思うと、家庭環境が複雑な子が多くて、そういった環境的な要因も大きいのだと思えますが…
当時は、「イジメられるのは、自分が弱いからだ」とひたすら思っていて、
「見返したい」という強い思いがありました。
森:なるほど、
ただ就職して遠くに離れるというだけではダメだったということですね。
でもそこで大学進学が選択肢にのぼってくるのは、
身の周りに大学進学された方がいたんでしょうか??
濱:そうですね。
当時、ネットゲームに熱中していました。
ネットゲームには暇な大学生が多いんですよ。
大学行かないのと言われました。
私からすると「大学って何をするところなの?」という感じでしたが、
大学生は楽しそうに見えたんです。
「都会に出たら変われる」とも思いました。
そこで大学進学を考えたんですけれども、
そもそも身の回りに大学に進学する人がいなさすぎて、進学するにしても推薦でという感じだったんです。
一般入試を受ける人はいませんでした。
高校では、数学や国語の授業なんてほぼなくて…
たとえば数列や場合の数なんかも知らない位でした。
森:進学するにしても推薦が一般的だったんですね。
濱:そうなんです。
私も情報処理一級を持っていまして、推薦入試を受けられることになりました。
小論文と面接で入れるんです。
そんなわけで、現役の時は推薦で大阪産業大学に入学しました。
森:じゃぁそこで無事地元も離れることが出来たし、コンプレックスも解消されたんでしょうか?
濱:全然でした。
その大学も、高校と同じような感じの治安の悪さだったんです。
授業中の学生達の態度も悪く、構内にタバコが落ちていたり…。
イジメがフラッシュバックする日々は続きました。
そこで、編入試験を受けて龍谷大学に三年次編入で入学しました。
ただ、大学に入っても、周りの話についていけていないと思ったんです。
半分思い込みかもしれませんが、
「自分は本来必要な学力を身に付けてはいない」と考えてしまって…。
これでは、イジメをしていた「彼ら」に勝ったと思えないと…、コンプレックスは拭えないと思いました。
森:なるほど…
そうなるともはや、
「どうなったら自分の中で勝ったと思えるのか?」という問題になってきますね。
濱:その後は、社会人をしながら夜に予備校に通ったりと、紆余曲折を経まして。
8浪で社会人を辞めて受験に専念、
9浪で一般入試で早稲田大学に入りました。
森:早稲田に!すごいです!
あの…地元の人たちは今はどうしているんでしょうか。
濱:イジメをしていた人たちが今どうしているかは、全く知りません。
ただ、自分の中でようやくコンプレックスが解消されたんです。
森:それが一番大切なことですね。
■ 浪人生とヒゲ
森:そういえば私も人より多めに浪人経験があるんですが…
浪人中って身だしなみを整える余裕もなくて、
でも面接試験もあるのでなかなかつらいところがありました。
特に男性は、試験の日や時間のない日も毎朝ヒゲ剃りをしますよね。
煩わしさってありますか?
濱:すごく、煩わしいですね!
森:ですよね?!
面接試験もあると気になってしまいますよね。
いそいでいるとアゴを切ってしまったり…。
浪人時代、模擬面接の日にスーツで顔を絆創膏だらけにしている友達がいました。
濱: 僕の場合はヒゲが濃いので、朝きちんと剃っても「ヒゲを剃ってこい」と言われるんですよ…。
森:それはつらい!
しっかり身だしなみを整えているのに、だらしがないと誤解されてしまうのはつらいですよね。
濱:本当にそうなんです…!
面接対策もしっかりしていきたいですね。
■ 浪人生の趣味は勉強!
森:受験勉強中、気分転換となるものはありましたか?趣味だったり。
濱:趣味は勉強ですね。
勉強を趣味にしないと受からないと思っていました。
youtubeで勉強系の動画を観ることもあり、それが気分転換にもなっていました。
■ SNSをはじめた理由
森:YouTubeやTwitterなどで情報発信をされていますが、どんなお気持ちで続けられているんでしょうか?
濱:やはり、私と同じような人にメッセージを届けたいというのがありますね。
森:同じような人、ですか。
濱:反骨心、怒りを持っている人にです。
大学進学を諦めそうな人、
周囲に理解してもらえずくじけそうな人、
同じような環境や年齢で頑張っている人がいると知らずに孤独を抱えている人に知って欲しいんです。
森:たしかに、大勢いて、一人一人が孤独感を持っているかもしれませんね。
濱:そうですね。
私は普段おちゃらけていますが、一番大切に思っていることは伝えたいと考えています。
過去の私と同じような状況にいる人に伝えたいんです。
一人じゃないんだということ。
希望を持って頑張っていれば報われるということ。
■ 今後の夢
森:濱井さんには、
これからどうなっていきたいとか、どんな社会になってほしいといった夢はありますか?
濱:「教育格差の原因を究明したい」という夢があります。
地域、家庭環境、人種や言語の問題で、教育を受けたくても受ける機会が無い人が大勢いるんですよね。
そのために私は教育社会学の研究をしたいと考えています。
様々な研究室を調べていまして、最初にお話しした通り、今年は東大の大学院を受けて落ちてしまいました。
来年また挑戦します!
森:素晴らしいです…!
心の底から応援しております!
濱井さん、ありがとうございました!
9浪はまい(濱井正吾)さんと当院森との対談記事も併せてご覧ください。
「東大理Ⅲに4連敗」夢破れた彼女が見つけた道(東洋経済ONLAIN)
1990年生まれ
早稲田大学教育学部国語国文学科卒業
9浪の末、早稲田大学に一般受験で合格。
『バンカラジオ』(登録者87万人2023/10/26現在)、 『トマホーク』(登録者22.6万人2023/10/26現在)といった
若年層に人気のエンタメYouTubeチャンネルに出演を続けながら、 他の教育系YouTuberの動画にも出演し、自身の人生体験を話している。
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