米津玄師さん「Lemon」を精神科医が分析した。~上野皮膚科/ゆうスキンクリニック秘密コラム

米津玄師さん「Lemon」を精神科医が分析した。~上野皮膚科ゆうスキンクリニック秘密コラム

「苦いレモン」の意味とは?

あけましておめでとうございます!ゆうきゆうです。

さてあなたは、米津玄師(よねづ・けんし)さんという方をご存じでしょうか。
直近の紅白歌合戦にも出られた、日本を代表するアーティストの方です。
この方が、その紅白で歌われた歌が「Lemon」といい、200万ダウンロードを記録するなど、2018年最大のヒット曲となったようです。

ではこの歌詞の「Lemon(レモン)」とは、いったい何を指しているのでしょうか。

歌詞のサビには、このようにあります。

(以下引用)
あの日の悲しみさえ あの日の苦しみさえ
そのすべてを愛してた あなたとともに
胸に残り離れない 苦いレモンの匂い
雨が降り止むまでは帰れない
今でもあなたはわたしの光
(引用ここまで)

総じて、過去の記憶を思い出す心情を歌っています。
多くの方の思い出がそうであるように、それは「良かったこと」も「悪かったこと」も多々含んでいます。

だからこそ「あの日の悲しみさえ、苦しみさえ、そのすべてを愛してた」と表現しています。

そしてこれらすべてを含めて、「苦いレモン」と表現しています。

とはいえ、ここで思います。
レモンって、苦いか? と。
いえ、間違っているとかではなく、ここにこそ、米津さんの歌詞としての表現の「妙」があるのではないかと思うのです。

レモンの味って?

すごく素直に言うなら、レモンは「酸っぱい」ものです。
よく「レモンの味を思い浮かべてください」と言うと、多くの人に、唾液が分泌されます。これは「酸っぱい」からです。
くわえてレモンですが、糖質量が意外にあります。

100g中で言うなら、
レモン…7.6g
もあります。参考までに他のフルーツと比べると、
イチゴ…7.1g
ぶどう…8.9g
グレープフルーツ…9g
となります。

意外にも、イチゴより、よっぽど糖質量が高いのです。
すなわち「甘い」ことになります。もちろん酸っぱさが強いので、そこまで甘みを感じることはないのですが、それでも実際の糖質量からすると、甘さが含まれるわけです。

結局、レモンは「甘さ」「酸っぱさ」を同時に含んだ果物であるわけです。

このレモンが「苦い」。
となると、米津さんが表現するこのレモンには
「甘さ」「酸っぱさ」「苦さ」
の三点が同時に存在することになります。

ちなみにご本人はインタビューで、この「苦いレモン」について理由を問われた際に「ただパッと思い浮かんだが、これしかないという確信があった」と述べています。

直感的なものだったそうですが、この言葉は、シンプルな一言でありながら、上記のような「三つの味」が存在することになり、それこそ楽しいこと、つらいことなど、様々な思いが混在する「過去の記憶」を、すごくシンプルかつ分かりやすく表現する言葉として、とてもうまいなぁ、と思います。

「甘いレモン」とは?

ちなみに余談となりますが、心理学では「甘いレモンの論理」というものがあります。

これは「苦労して得た果実が、レモンのように酸っぱく、大したことがないものだった場合、『苦労して得たのがこの程度なんてイヤだ』という気持ちから『あぁ、このレモンは甘いなぁ』と思い込む心理」のことを言います。別名「合理化」と言います。

俗に「すっぱいブドウ(得られなかったものは、つまらないものだと思い込む心理)」という心理の方が有名ですが、その「逆バージョン」になりますね。

そういう意味で、歌詞にある
「あの日の悲しみさえ、苦しみさえ、そのすべてを愛してた」
という部分も、やはり「悲しみも、多くの苦労を減ると、素晴らしい思い出に変わる」という意味では、この「甘いレモン」に通じるものがあるかもしれません。

そうかんがえると、「レモン」というのは、その心理にも通じる表現であり、色々な意味でピッタリの表現なのかもしれません。

というわけで、米津玄師さん「Lemon」について、感じたことを分析してみました。
何か少しでも参考になることがあれば幸いです。

ちなみにレモンと言えば、有名なのが「ビタミンC」です。
よく「レモン何個分のビタミンC!」みたいに表現されていますね。
しかし実際、レモン1コのビタミンC、意外に少なく、だいたい1コで20mgくらいとされています。
ここでビタミンCを研究されている栄養学者である生田哲先生によると「ビタミンCを3~6gほど服用すればカゼを引きづらくなる」そうです。逆に言えばそのレベルに服用しなければ、大した効果はない、ということになります。
レモンで換算すると、50コでビタミンCが1gということになるので、ビタミン3gのためには150コ食べなくてはいけません。もちろん一日の量です。
うん。無理。

様々な味を含んで多くの人に愛されるレモンですが、健康のためには非常に切ない果物であることを重々感じつつ、ビタミンCサプリを服用して寝ることにします。

ここまで読んでくださって、本当にありがとうございました。

 

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特別監修・ゆうきゆう
精神科医、心理学者。
東京大学医学部医学科を卒業後、うつ病・統合失調症・てんかん・パニック障害・社交不安障害・不眠症など多くの疾患の治療を行い、2008年よりゆうメンタルクリニックを開院。
『マンガで分かる心療内科』の他、100冊以上の著作があります。

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