【皮膚科医が解説】水いぼ(伝染性軟属腫)の原因や治療法

こんにちは、ゆうスキンクリニック医師の森しほです。

「水いぼがあるとプールに入れないの?」
「取ったほうがいいの?放っておいても大丈夫?」

夏になると特に多いご相談です。
今回は、水いぼ(伝染性軟属腫)について、原因や治療法、プールの可否まで
皮膚科医の立場からわかりやすく解説します。

◆ 水いぼとは?

水いぼの正式名称は「伝染性軟属腫(でんせんせいなんぞくしゅ)」です。

イボという名前ですが、手足にできる一般的なイボ(ヒトパピローマウイルス:HPV)とは別の病気で、
伝染性軟属腫ウイルスという全く別のウイルスが原因です。

日本皮膚科学会でも、両者は別の病気として説明されています。(公益社団法人日本皮膚科学会)

見た目は、

  • 2~5mm程度
  • 表面がつるっと光沢がある
  • 真ん中が少しくぼんでいる

という特徴があります。

原因は?

水いぼは、皮膚にできた小さな傷からウイルスが入り込むことで発症します。

特に

  • アトピー性皮膚炎
  • 乾燥肌
  • 汗をかきやすい

お子さんでは皮膚のバリア機能が低下しているため、感染しやすくなります。

また、水いぼを掻くと中に入っているウイルスが周囲の皮膚につき、
新しい水いぼが増える「自家接種」が起こります。(公益社団法人 日本小児科学会 JAPAN PEDIATRIC SOCIETY)

気をつけたいこと

水いぼは、

  • 掻き壊さない
  • 保湿をしっかり行う
  • アトピーや湿疹をきちんと治療する

ことがとても大切です。

皮膚の状態が悪いほど、どんどん広がってしまうことがあります。

また、

  • タオル
  • 浮き輪
  • ビート板

などは共用を避けましょう。(日本皮膚科学会)

水いぼがあってもプールは入っていい?

結論からいうと、基本的には入って大丈夫です。

日本皮膚科学会などの見解では、水いぼがあることだけを理由にプールを禁止する必要はありません。
プールの水そのものを介して感染することはほとんどないと考えられています。

ただし、水いぼ同士が直接触れたり、タオルやビート板、浮き輪などを共用したりすると
感染することがあります。

そのため、

  • タオルやビート板などは共用しない
  • プール後はシャワーで皮膚をきれいに洗う
  • 掻き壊さないようにする

ことが大切です。

また、水いぼが露出していて接触しやすい場所にある場合は、
絆創膏や防水テープで覆っておくと、周囲への感染予防としてより安心です。

数が多い場合や広い範囲にある場合には、ラッシュガードで覆うのもよい方法です。

学校や園によって運用が異なることもありますので、施設のルールには従いましょう。

どんな人は積極的に取ったほうがいい?

自然に治る病気なので、必ず取らなければいけないわけではありません。

しかし、次のような場合は摘除をおすすめすることがあります。

  • どんどん数が増えている
  • 兄弟姉妹へうつる可能性が高い
  • アトピーで広がりやすい
  • プールや習い事などで感染を心配している
  • 本人が見た目を気にしている
  • 早めの治療を希望している

自然治癒まで半年~1年程度、長いと数年かかることもあるため、
生活状況に合わせて治療を選択します。(公益社団法人 日本小児科学会 JAPAN PEDIATRIC SOCIETY)

治療方法

① ピンセットで摘除(最も一般的)

先が丸くなったピンセットなどで一つずつ内容物を取り除きます。

最も確実ですが、多少痛みがあります。

② 液体窒素(凍結療法)

液体窒素で凍らせる方法です。

第一選択ではありませんが、症例によって選択されることがあります。
(公益社団法人 日本小児科学会 JAPAN PEDIATRIC SOCIETY)

ペンレステープを使うとどう?

小さなお子さんでは痛みが心配になります。

その場合はペンレステープ(局所麻酔テープ)を処置前に貼ることで、痛みを軽減できます。

完全に無痛になるわけではありませんが、
多くのお子さんで痛みが和らぎ、処置を受けやすくなります。(千葉県医師会)

一回取れば治る?

取った水いぼ自体は、その場でなくなります。

ただし、

  • 小さい水いぼがまだ残っている
  • まだ見えない段階で感染している

こともあるため、後から新しい水いぼが出てくることがあります。

そのため、1回で終わる方もいますが、何回か処置が必要になるケースも珍しくありません。

放置するとどうなる?

多くの場合は免疫がつくことで自然に治ります。

しかし、

  • 数が増える
  • 家族へうつる
  • 掻いて広がる
  • アトピーが悪化する

ことがあります。

そのため、「放置が正しい」「必ず取るべき」と一律には言えません。

皮膚の状態や生活環境、お子さんの性格なども含めて、一緒に治療方針を考えることが大切です。

まとめ

水いぼは自然に治ることも多い病気ですが、治るまでに長期間かかることがあります。

プールは禁止ではありませんが、タオルなどの共用は避け、
皮膚の保湿やアトピー治療をしっかり行うことが大切です。

「取るか、様子を見るか」はお子さんによって最適な選択が異なりますので、
お困りの際は皮膚科でお気軽にご相談ください。

この記事の監修

皮膚科 森医師

森しほ

ゆうスキンクリニック治療最高責任者
皮膚科医/産業医/抗加齢医学会専門医
皮膚科のことなら、どんなことでもお気軽にご相談ください。
あなたのお力になれるよう、全力で診療させていただきます。

参考文献

  1. 公益社団法人 日本皮膚科学会. 皮膚科Q&A「イボとミズイボ、ウオノメとタコ―どう違うのですか?(Q7・Q9)」(公益社団法人日本皮膚科学会)
  2. 公益社団法人 日本皮膚科学会. 「皮膚の学校感染症に関する統一見解」(日本皮膚科学会)

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