湿疹の原因は特定できる?
―「原因不明」と言われる理由と正しい向き合い方

「この湿疹の原因をはっきり知りたい」
「できれば根本から治したい」

皮膚科でとても多くいただくご相談です。
当然のご希望だと思いますし、医師としても可能であれば原因を明確にしたいと考えています。

しかし実際のところ、湿疹は1つの原因だけで起きていることが少ない病気です。

湿疹は「いくつもの要因の重なり」で起きる

湿疹には、以下のような要素が関わります。
• 体質(アレルギー傾向など)
• 皮膚のバリア機能の低下
• 乾燥
• 外からの刺激(洗剤、金属、摩擦など)
• ストレスや体調

これらが単独ではなく、いくつも重なって発症・悪化することが多いため、
「これが原因です」と1つに特定できるケースは実は多くありません。

検査で原因はわかるのか?

原因検索として代表的なものに、パッチテスト血液検査があります。

■パッチテスト

接触皮膚炎(いわゆる“かぶれ”)の原因物質を調べる検査です。
金属や香料など、特定の物質に対する反応を確認できます。

ただし、
• すべての原因物質を網羅できるわけではない
• 陽性でも、それが現在の症状の主な原因とは限らない
という限界もあります。

■血液検査

アレルギー体質の傾向や、特定のアレルゲンに対する反応を調べることができます。

しかし、
• 数値が高い=それが湿疹の原因とは限らない
• 数値が正常でも関係していることがある
ため、あくまで「参考情報」として捉える必要があります。

「原因不明」ではなく「原因が1つではない」

アレルギー体質の傾向や、特定のアレルゲンに対する反応を調べることができます。
湿疹の中には、検査で原因が特定できるものもあります。

一方で、アトピー性皮膚炎のように、体質や環境が複雑に関与するタイプでは、原因を1つに絞ることは難しいのが現実です。

そのため臨床的には、
原因不明」というより「原因が1つではない」
と考えるほうが実態に近いと言えます。

ではどう治していくのか?

原因が1つに特定できない場合でも、治療は可能です。

大切なのは、
• 悪化要因を減らす
• 皮膚のバリア機能を整える
• 炎症は適切に治療する

といったアプローチです。

湿疹は、
「完全に二度と出ない状態を目指す」というよりも、
「出にくくする・出ても早く治せる状態を保つ」ことが現実的であり、再発を防ぐ近道になります。

最後に

湿疹に対して「原因を知りたい」と思うのは、とても自然なことです。
ただ、その原因は必ずしも1つではなく、複数の要因が絡み合っていることが少なくありません。

検査はヒントにはなりますが、答えそのものではない場合もあります。

だからこそ、一人ひとりの生活や肌の状態に合わせて、
「悪化させない工夫」と「整える治療」を積み重ねていくことが大切です。

一緒に、無理のない形でコントロールしていきましょう。

この記事の監修

皮膚科 森医師

森しほ

ゆうスキンクリニック治療最高責任者
皮膚科医/産業医/抗加齢医学会専門医
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