ゼルダの伝説~ブレス・オブ・ザ・ワイルドへの精神科医によるツッコミ【新宿脱毛・皮膚科コラム】

ゼルダの伝説~ブレス・オブ・ザ・ワイルドへの精神科医によるツッコミ。

(ネタバレというほどの内容は含んでいないと思いますが、「一瞬たりともネタバレは許せない!そして発売二年も経ったが、いつかの未来にプレイすることを考えてネタバレは一切見ない!」という方は読まないことをオススメします。いれば)

◆ ゼルダの伝説がスゴかった。

さて本題です。
あなたは、任天堂の作っている「ゼルダの伝説」というゲームをご存じでしょうか。
これおそらく大抵の方が「はい」と答えるはず。

任天堂といえば「マリオ・ブラザーズ」が有名ですが、ほぼ同じくらいの時期に作られ、何シリーズも出ている超人気作です。
マリオが1ステージごとに完結する純粋なアクションゲームとするなら、ゼルダは色々な武器やアイテムをゲットし、多くの敵を倒して、どんどん強くなることで、最終的に大ボスを倒す、というゲーム内容になっています。

自分自身もこのシリーズが大好きで、それこそ最初の作品からプレイしていたのですが、「ニンテンドー64」で3Dになり、めっちゃ酔って途中で挫折して以来、まったくプレイしていませんでした。
しかし最近、ニンテンドーSwitchで、最新作の「ゼルダの伝説~ブレス・オブ・ザ・ワイルド」をプレイして、そのあまりの素晴らしさに感動しました。

ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド

まず、3Dにも関わらず、とりあえず酔いません。

これは3Dの描かれ方の問題なのか、または自分自身の感覚が変わったからなのか不明です。
もし自分自身が変わったという場合、それが成長なのか退化なのか謎です。色々と感覚が鈍くなっただけだったらどうしよう。

まぁ何にせよ、とにかく酔わず、すごく快適にプレイできたので、それは何より報告したい。過去作で酔った人もぜひ、と。

◆ 美しくリアルすぎる世界。

そして何がスゴイかというと、一番は「3Dで描かれた、美しく壮大な世界」です。これホント、このゲームの特徴を何より表現してると思う。

もうアレです。ゲームの中に、地球の一部がそのまま再現されてるのです。
もちろん世界中ほど広くはないんですが、うん。
たとえば東京の台東区くらいはそのまま再現されてる。
え、ここアメ横? うわ、ここ不忍池だ! わぁ、上野動物園にはパンダもいる! みたいな。

うん。場所の選定のせいでスケールが伝わらなかったら申し訳ありません。

さらにたとえば「山」があったら、その山を登れます。
また「海」があったら、海を泳げます。

え、当然じゃない?と思う人もいるかもしれませんが、いや、それがすごくリアルなのです。
たとえばゲームには、体力の他に「がんばりゲージ」という、自分をはじめとする小学生レベルの人にも理解しやすいネーミングのゲージがあり、登山や水泳中に、それが少しずつ減っていきます。

そしてそのゲージがゼロになると、転落したり溺れたりする…という生々しい状況が表現されています。

ちなみにその場合、どちらも基本的に死ぬので、「山登りや海水浴には気をつけろ」という任天堂の教訓が含まれてるような気がしてなりません。

まぁゲームプレイヤーの大半は山登りや海水浴なんて行きませんので、あまり意味ある教訓かは分かりませんけども。

いつか部屋の中でゲームしてるだけで、がんばりゲージが減って死ぬゲームを開発してほしい。ゲーム依存の治療のためとかに。頑張ってませんか。そうですか。

さらに世界の一つ一つが、美しく描かれているのも特徴敵です。
特に水の描き方がリアル。光に照らされた情景が、感動的に綺麗です。

話はズレますが「大きな妖精」とかも出てきて、その人は「水商売30年」みたいな雰囲気の女性で、その描写もリアルなので、広い意味で水の描き方には徹底的にこだわってるな、って思いました。

他にも「火」もリアルに表現されており、草原や木を燃やし尽くすこともできます。
自分自身、敵の巣にバクダンを投げ込んで焼き尽くす、というのが何より楽しく、自分の中に潜む危険性をあらためて再認識できました。でもたいていのプレイヤーがそれやると思う。

◆ 本題よりも充実した世界

ここで、このゲームには「最終ボス」がいて、その最終ボスを倒すために、数人の「中ボス」を倒したり、ミッションをクリアしたりしなくてはなりません。

しかしその本道とは別に、クリアしなくてもいいミッションがたくさん存在します。
本道でやることが5とするなら、本道以外のやることが100くらいあります。

たとえばクリアすると体力やがんばりゲージが増える「ほこら」というものが100近くありますし、また見つけると、武器を持つ量が増える「コログの実」という要素が、ゲーム内に1000コ近く存在しています。
もうどっちが本道か分からないレベルです。

また外を走っていると、鳥や動物がたくさんいます。敵ではないため何の害もないのですが、弓矢を使って撃つと肉が手に入ります。それもあり、もう見つけるたびにバンバン撃ってました。そのためゲームの後遺症として、鳥や歩いてる人を見ると撃ちたくなります。「人間は別ではないか」というツッコミが出るかもしれませんが、とにかくそう思ってしまうのでしょうがありません。後遺症というより純粋な病気ではないかと思います。
またゲームでは「高いところから飛び降りて、パラシュートのようなもので遠くまで移動する」という演出もありますが、現実でも、同じく高いところに来ると飛び降りたくなります。自分は108歳まで生きるつもりですが、万一にもそれ以前に死んだ場合、「あぁ、ゼルダの伝説にハマりすぎて実行してしまったのだな」と思っていただければ幸いです。やりません。

◆ 走り回ることの喜び

何にせよ、ゲーム時間の90%くらいは、ただ荒野の中を走り回ってるだけなんですけども、それでもぜんぜん飽きません。
「ゲームといえば敵と戦うのがメイン」みたいなイメージがあるものですが、ここでは敵が存在しない荒野を走るだけで、十二分に楽しさや発見を感じられるわけです。
ゲームのサブタイトルが「ブレス・オブ・ザ・ワイルド」で、日本語にするなら「野生の息吹」ですが、本当に、「野生の世界を感じる」ことこそが、このゲームのメインテーマであり、そして何よりの醍醐味ではないかと思います。

ちなみに「コログの実」を見つけるためには、思わせぶりな配置の石を動かしたりして、小さな謎の生き物を発見する必要があります。
ここで「石を持ち上げたら、その下からその生き物がでてきた」という場合、その後で必然的に持ち上げた石を降ろすわけですが、その際に降ろした石がその生き物にゴツンと直撃し、生き物が「ウッ」という苦しみの声をあげる、という心憎い演出もあります。そんな!そんなつもりなかったのに!
純真無垢なプレイヤーの99%が強制的な加害者になるため、良心の呵責で悩んだ彼らは「いやこれはミスではない、こういう世界なのだからしょうがない、よし、もっと敵を倒そう」みたいな思考をし、さらにゲームにハマっていく…。
そんな制作者さんの狙いがあるとしたら言い過ぎでしょうか。言い過ぎです。

何にせよ世界を歩くだけで楽しいゲーム。
これは本当に感動的でした。冗談抜きで、今までにプレイしたゲームの中でも、インパクトと強烈さではベストに入るかもしれません。

◆ 主役はゼルダでなくて…?

それはそうと、このゲームのタイトルは「ゼルダの伝説」で、このゼルダは、ヒロインの名前です。お姫様です。よくパッケージにも出てる主役の少年は「リンク」です。あれがゼルダだと思ってる人も多いかもしれませんが、あれはリンク。リンクがどれだけ頑張って伝説を残しても「ゼルダの伝説」ですから、切ない状況ですね。「マリオ・ブラザーズ」が、「ピーチ・シスターズ」になってるようなものです。姉妹誰やねん。またはドラえもんの夏休み映画が、必ず「のび太の○○」とタイトルがついてるのにも近いかもしれません。ドラえもんがいくら活躍しても、のび太のおかげ。悲しい。ちなみに自分が夏休み映画のドラえもんだったら、必ず冒険に出木杉くんを連れていきます。たぶん上映10分くらいで全部解決する。

話がものすごくズレましたが、とにかくリンクくんが、ゼルダ姫のために頑張るゲームです。
そして今回、設定として、「以前に最終ボスに滅ぼされた時代から、100年たった世界」という内容になります。

そしてリンクは100年のあいだ眠っており、当時の記憶がまったくありません。そのため少しずつ思い出しつつ、状況を把握していく…ということになります。これ、非常にウマイなぁ、と。リンク=プレイヤーで、「思い出す」ということを通じてプレイヤーが今の状況を理解していけるわけですから、リンクに感情移入しやすくなっています。

◆ より道と本道の関係性

そしてこの「思い出す」ためには、世界の中で特定の地点に立つ必要があり、それが全部で12コほどあります。
この地点は「そこの風景写真」から推察する必要があり、「あ、西郷さんが見えるから上野公園だ」とか「いつも本日閉店って叫んでる人がいるから、アメ横のあのお店だ」など考えなくてはなりません。重ねて、台東区のせいで伝わりづらかったら申し訳ありません。
何にせよ、色々と記憶を思い出していくわけですが、そこではゼルダ姫とリンクのドラマが描かれています。

非常に美しく素敵なやりとりもあるのですが、中には「ゼルダ姫が自分の力をうまく操ることができず、リンクに八つ当たりする」という切ない記憶もあり、ていうかその比重が結構多く、それでいてゼルダは「リンク助けて、早く最終ボス倒して」とプレッシャーを掛けてくるので、リンクとしては「あぁ…」と、本道を思い出して、軽く冷静になります。あ、ほこら探したり、コログの実を集めたり、ムダに敵を燃やして楽しんでる場合じゃないや、みたいな。

これある意味、休日のお父さんとかに通じるかもしれません。
休みだから色々と遊んでると、上司から「明日のプレゼン資料、大丈夫?」と催促されたり、給与や出世の状況について奧さんにプレッシャーを掛けられてハッとするかのような。
そんな状況を象徴しているのではないかと。
ゲームでは普通にやれば最終ボスは必ず倒せますが、現実では上司も奥様も倒すのは至難の業なので、現実の方がよりハードかもしれません。

何にせよ、ゼルダの伝説、現実にも通じる非常に含蓄深いテーマも含み、素晴らしいゲームだと思いました。ゼルダも、もといリンクも頑張ってるんだから、僕たちも頑張らないと、みたいな。

人生のがんばりゲージが減るのと全力で戦いつつ、ここまで読んでくださって、本当にありがとうございました。

(完)

 

 

監修・制作

このページは、ゆうメンタルクリニックの医師・スタッフが監修・制作しております。

特別監修・ゆうきゆう
精神科医、心理学者。
東京大学医学部医学科を卒業後、うつ病・統合失調症・てんかん・パニック障害・社交不安障害・不眠症など多くの疾患の治療を行い、2008年よりゆうメンタルクリニックを開院。
『マンガで分かる心療内科』の他、100冊以上の著作があります。

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