帯状疱疹
最近、芸能人の方がCT、MRI、エコーをして帯状疱疹と診断されたというニュースがありました。
SNSでは、医療関係の方々の間で「なぜ帯状疱疹でそんな検査を?!」と疑問の声があがっていました。
中には、有名病院の院長先生もいらっしゃいました。
当然の疑問かと思われます。しっかり教科書を読み込まれた優秀なドクターほどそう思われることでしょう。
ここでクイズ!
Q. 皮膚科疾患なのに他科に行きがちな疾患ランキング1位(当社調べ)は何でしょう?
正解は…
なんと………
A. 帯状疱疹です!
よく分かりましたね!
順を追って説明していきますね。
帯状疱疹の原因は?
帯状疱疹を引き起こすウイルスは、みずぼうそうを起こすのと同じ、水痘ウイルス。
みずぼうそうにかかったことがある人の神経…脊髄から出る神経節という部位に潜んでいます。
普段は免疫がウイルスを抑えてくれています。
ところが、ストレスや加齢などで免疫力が低下したときに、ウイルスは激しく暴れ出します。
どんな人がかかりやすい?
お年寄りに多い疾患ですが、もともと免疫が弱い方や、ストレスなどで免疫力が下がるとかかりやすくなります。
余談ですが、私自身も高校生の時に受験勉強のストレスなのか帯状疱疹にかかったことがあります。やはりはじめはピリピリした感じはありまして、ただ、発疹は目立たず、なかなか診断がつきませんでした。診断がついたのは発疹がだいぶ拡がってからでした。治ってからも、発疹が出ていた部位になんとなーく痺れた感じが数年残っていました。
ご高齢の方などは特に痺れや痛みが残りやすいようです。
どんな部位にできる?
帯状疱疹は、胸部や腰部、背中、腕や足、顔などあらゆる部位にできます。
症状は?
帯状疱疹といえば痛みと特徴的な皮疹!
帯状疱疹の発疹は、赤みがかった水膨れのような感じのになります。水泡が密集している帯のような形をしていることから「帯状」と名付けられたそうです。神経の走行に沿ってできるので帯のようになるんですね。
教科書によく載っているような画像は、この帯状の特徴的な発疹であることが多いです。
帯状疱疹の発疹ができる前兆として、かゆみや痛み、ぴりぴりとした違和感が出ます。
お肌に発疹が出るのはそれからしばらく経ってから、というケースも多いのです。
このため、患者さんは皮疹には気付かずに(もしくは皮疹に気付いていたとしても大したこととは思わずに)整形外科や神経内科などの他科に足を運ぶことが少なくありません。
そうすると、まずは神経や血管、骨など別の病気がないか詳しく調べる、そして調べているうちに発疹が出てくる、ということも多々あります。
…というわけで、脳神経や整形外科などの先生がCTやMRIで神経の検査をしてしまうのも無理ないんですね。
治療は?
・ウイルスに対しての治療
帯状疱疹の治療には、抗ウイルス薬や痛み止めなどが使われます。
抗ウイルス薬は、ウイルスの増殖を抑えて症状の改善につながります。
・痛みに対しての治療
帯状疱疹が治ったあとも痛みが続くことも多々あり、帯状疱疹後神経痛といいます。
とにかく早めの治療が大切です。
帯状疱疹後神経痛の治療には、神経痛薬を投与して痛みを和らげていきます。
局所麻酔薬の注射や、ビタミンB12を投与することもあります。
痛みが強い場合は麻酔科、ペインクリニックの受診も検討しましょう。
症状に合わせて複数の治療法を組み合わせるなど、専門ならではの治療も期待できるかもしれません。
予防はあるの?
帯状疱疹は、ワクチンがあります。
水ぼうそうにかかったことがない人もある人も、ワクチンの接種をおすすめします。既に帯状疱疹にかかったことがある人も、何年かすると抗体値が下がってくるので、ワクチンを打っておきましょう。
また、免疫力が低下すると帯状疱疹にかかりやすくなります。ストレスがかかりにくい生活、バランスの良い食事、規則正しい生活を送ることが大切です。
この記事の監修
森しほ
ゆうスキンクリニック治療最高責任者
皮膚科医/産業医/抗加齢医学会専門医
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