ブロックされた人と会ったら、予想外の結果になった話。~新宿池袋上野皮膚科コラム

ブロックされた人と会ったら、予想外の結果になった話。~新宿池袋上野皮膚科コラム

 

あなたは、SNSで、誰かにブロックされたことはありますでしょうか。

僕は、「ツイッター上で一切関わったことのない方から、気づいたらブロックされてた」ということがあります。

たぶんゆうきゆうアカウントで掲載してるマンガがRTで流れてきて、なんか「もうイヤ!」になったのかなと。

うん。「ブロック以外にミュートもあるんだよ?」と教えてあげたい。

でもなんか、よほど腹に据えかねたのでしょう。ミュートごときではガマンできなかったのでしょう。だとしたら、それはまぁいいんです。

でも自分自身、よくマンガを読むのですが
「このマンガ面白い!作者さんのアカウント見よう!」
と思って検索したらブロックされてる
時とかもあって、この時は非常に切ないです。
一度も会ったことも話したこともないのに。
ていうか、読んだんだ! ツイッターで読んでくれたんだ自分のマンガ! その上でブロックしてくれたんだ!

…何この切なさと嬉しさの入り混じる、複雑な感情。

さらに! さらにですよ!?

漫画家って、出版社さんの行う新年会や忘年会があるんです。
で、自分自身、呼ばれたら、結構いくんです。

もうこの段階で次の展開分かった方もいるかと思うんですが。

そこで! そのブロックしてる、初対面の好きな作家さんを見つけてしまうことがあるんです!

これ、あなたが僕の立場だったらどうします!?

好きなんですよ!
話しかけたいんですよ!
でもブロックされてるんですよ!
一度も話したことがないのに!

こういう状況になること、人生で、そうそうないと思います。

で、自分の場合、もう話しかけてしまいます。
もちろん「迷惑かも…」「怒られたらどうしよう…」みたいな不安はあります。
でも、だからといって話さなくても、モンモンした気持ちが残るだけですから。
それだったら、たとえどっちであっても、明確に判明した方がいい。そう思います。

ただ、何と話すか。

僕は、とにかく普通に。

「あの、ごあいさつしても大丈夫でしょうか?」

と名刺を持って話しかけます。
キングオブ無難な一言だと思います。
これにたいして「ごあいさつダメー! 帰れー!」と言われたことはいっっっっさいありません。
新人の方でも、誰でも知ってる超大御所の方でも、またはどんなに気難しいとウワサされてる作家さんでも、みんなそうでした。これは自信もって言える。
当然、僕だってそうです。誰にこのセリフを言われても、絶対に「もちろんです!」と答えます。何より話しかけてくれたことを嬉しく感じます。おそらく大半の方が、そうなはずです。

とにかくもちろん、そのブロックされてる方でも、ちゃんと話してくださいます。

「あ、はい…!」

そこからは普通に自己紹介と、読んでることのお伝えです。

「あの、前から先生の作品、読んでます!」

すると相手の方は、たいてい嬉しそうにリアクションくださいます。良かった。

「あぁん!? ブロックしてるお前が、何しに来た! それに俺の本勝手に読んでんじゃねぇ!」
と即怒られたことはありません。そりゃそうだ。

そこで少しお話したあと、最後にプラスで聞きます。

「あの先生…! すみません! ツイッターでフォローしようと拝見したところ、ブロックされてしまってまして…。何か御迷惑おかけしたのではと、ずっと気になってまして…!」

とにかくソフトに「理由を聞きたい」というくらいのニュアンスです。

すると「あれっ!? そうでしたか!? すみません! 確認します! 何にせよ、すぐこちらからフォローしますね!」
と言ってくださいます。今まで100%そうでした。

「そうだよ! お前なんか嫌いだ! ブロックしてて悪いか!」とキレられたことは皆無です。

まぁ、100%と言いつつ、そもそも三回しか経験がないので、どこまで断定できるか分からないのですけども。三回は多いのか少ないのか。多いわ。

総じてリアクション的に
「色々とあまり考えずブロックしている中でたまたま入った」
みたいな感じだな、と思いました。いえ全力でそう装ってくださってたのかもしれないんですけども。

何にせよ、話しかけて本当に良かったな、と思います。

みなさまも、たとえば「誰かに嫌われてるのでは?」と思ったときは、ぜひ思い切って話してみることをオススメします。

「話してみると、相手は思ったほど悪く思ってなかった」とか
「話してみると、想像よりずっといい人」ということが結構あります。
悩みすぎるよりも、まずは話す…というのを試してみるといいかもしれません。

………。

そもそもブロックされないのが一番ではないか、と至極当然な感想を抱かれてる気がしつつも、ここまで読んでくださって、本当にありがとうございました。

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特別監修・ゆうきゆう
精神科医、心理学者。
東京大学医学部医学科を卒業後、うつ病・統合失調症・てんかん・パニック障害・社交不安障害・不眠症など多くの疾患の治療を行い、2008年よりゆうメンタルクリニックを開院。
『マンガで分かる心療内科』の他、100冊以上の著作があります。

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