『セックス依存症になりました。』で話題の漫画家
津島隆太先生の【依存症かもと悩む人への処方箋】
漫画『セックス依存症になりました。』で話題の漫画家 津島隆太先生と当院の森医師が対談しました!
森:よろしくお願いします!
漫画拝読しました!
依存症当事者の葛藤がすごくリアルに描かれていて、本当に勉強になりました。
津島隆太先生(以下、津):ありがとうございます。
◎セックス依存症(性依存症)になるまでのお話
森:漫画でも描かれていましたが、性依存症になるまでのお話を詳しく教えていただけないでしょうか。
津:そうですね…まずは仕事のことから説明しますと、
僕はもともと漫画家を目指していて、以前は漫画家のアシスタントをしていました。
アシスタントは一人前として見てもらえず、ハードワークで、時給にすると500円くらいでした。
将来への不安もありました。
森:漫画家さんは憧れる人も多いぶん、険しい道のりなのですね…。
津:そういった仕事でのストレスから、出会い系(今で言うマッチングアプリ)を始めたんです。
そこで知り合った不特定多数の女性と、関係を持つようになりました。
森:そこだけ聞くと、そういった男性ってよくいそうですよね。
マッチングアプリなんかで色々な女性と知り合って、むしろ楽しく暮らしていそうな…!
津:たしかにそうかも知れませんね。
でも僕の場合は、度を過ぎていたんですよね。
ある日、当時の彼女に携帯を見られてしまったんです。
森:あぁ…!
彼女さん、怒りましたか?
津:それはもう。
片手にハンマー、片手にバリカンで、2時間くらい暴行を受けたんです…。
森:漫画にあったシーン、実際のお話なんですね!
2時間?!
その間ずっと耐え続けたんでしょうか…?
津:はい。
僕自身の自尊心がとても下がっていたので、抵抗も出来ませんでした。
自分からバリカンで頭を剃りました。
森:大変だったのですね…。
津:身体はアザだらけ、髪の毛もバリカンで刈って、それでも性的な問題行動がやめられないんです。
彼女からは、
「普段はおとなしいのに性的なこととなると豹変する」とも言われました。
行動を改めたいと、強く思いました。
これはおかしいなと思ってメンタルクリニックを受診しました。
そして、自分がセックス依存症だと発覚しました。
◎性依存症と診断された時の気持ち
森:診断されて、すぐに受け入れることができましたか?
津:内心、やっぱりかという思いはありました。
ただ、やはりはじめは性依存症であることを受け入れられませんでしたね。
森:依存症は否認の病とも言われていて、本人としてはなかなか受け入れられないといいますよね。
津:そうなんですよ。
森:治療を受けてみていかがでしたか?
気持ちを落ち着けるお薬だとか、効果はあるんでしょうか?
津:正直に言うと、薬は僕には効きませんでした。
森:そうでしたか…。
では、回復には何が効果的だったんでしょう?
津:自助グループといって、同じような境遇にある人が集まって、お互いの話をする会があるんです。 治療の一環として、性依存症の当事者の集まる自助グループに通う事を提案されました。
森:そういったところに通うのも勇気が要りますよね。
津:はい、
自分がそのグループに通うと依存症だと認めることになると思ってしまって、はじめは抵抗がありました。
「自助グループにいる人たちは、性犯罪を犯したり、不倫をしていたりするけれど、僕は独身だし法をおかしているわけではないんだ」という気持ちもありました。
でもこのままでいるわけにはいかないと思って参加してみました。
依存症のある方ほぼ全員に言えることですが、
本人の中では、治したいという気持ちと、治したくないという気持ちがせめぎあっているんです。
依存行動は、本心から望んでいることではないんですよね。
実際に自助グループに通ってみたら、
自分と同じような気持ちを持っている人が大勢いることがわかりました。
森:一人じゃなかった、と思えますよね。
津:そうですね。
お互いに共感をすることで、回復につながっていると思います。
◎体験を漫画にしようと思ったきっかけ
森:体験を漫画として世に発信してくださって、救われた人も多いかと思います。
漫画にしようと思われたのはどういった理由があったのでしょう?
津:元々子供のころからマンガ家を目指していたのですが、仕事が上手くいかずにくすぶっていて。
それがまた性依存症の原因にもなっていたので、
こうなったらマンガにしてやろうという気持ちでした。
森: なるほど、ある意味では漫画のせいですものね。
その思いをすべて漫画にぶつけられたわけですね。
◎体験を漫画にしようと思ったきっかけ
森:身だしなみ、美容など、ご自身へのケアはどのような形で行われていますか。
津:依存症に1番苦しんでいる時は、自分の身体のことは考えられませんでした。
食事はカップラーメンやパン。仕事で引きこもりがちの生活でした。
睡眠も不規則でしたね。
でも最近は自分のことを大切にしようと思えているので、
食事は鶏胸肉と野菜を中心にして、健康的な生活を送っています。
睡眠は相変わらず不規則ですが…。
昔は紙とペンで漫画を描いていましたが、最近はiPadで漫画を描けるようになってきたので、できるだけ外に出るようにしています。
猫カフェで癒されながら仕事をすることもあるんですよ。
森:猫カフェでお仕事ですか!天国ですね。
津:はい!
iPadを使っているんですが、最近ではもうラフだけじゃなく線画もできるんですよ。
猫カフェで猫に画面をいじられても、ボタン1つで戻すこともできますし、便利ですよね。
森:凄い時代ですよね…!
美容についてはいかがでしょうか?
津:僕はお肌が乾燥するので、お風呂上がりに保湿しています。
また、シミが気になっているので日焼け止めを使うようにしていますね。
シミは10年くらい前から、だんだん気になるようになってきました。
森:シミが気になると、陽射しも浴びたくないし、外に出るのがイヤになってしまいますよね…。
津:そうなんですよ。陽射しも人目も気になりますし。
森:シミのケアをしっかりして、自信を持って外に出られると、
精神的にも健康でいられるかもしれませんね。
こもりっきりの生活では依存対象のことばかり考えてしまいそうですし。
津:そうですね、外に出て気持ちを切り替えるようにするといいのではないかと思います。
◎依存症で苦しむ人を減らすために
森:依存症に対して、今後どのような社会になったらいいというイメージはありますか?
津:アルコール依存症やギャンブル依存症は認知が広まって皆が気を付けられるようになりました。
セックス依存症に関しても、
同じように認知されるようになっていくといいなと思いますね。
みんなが依存症にならないための生活を心がけられるようになれば良いなと思います。
森:本当にそうですね。
ご家族が依存症で悩まれている方もたくさんいますが、そういった方にアドバイスはありますか?
津:依存症の方は自尊心がボロボロなんです。
「病気だから治そう」という言い方だと、
余計に自信を失ったり、「依存症じゃない!」と抵抗をされるかもしれません。
それよりも「あなたが大切だから、問題行動を抑えるために」という伝え方をしたほうが、
自分を大切にしようと思えるのではないでしょうか。
森:なるほど…!
「自分が依存症じゃないか心配」という方もいらっしゃいますが、そういった方へのアドバイスは何かありますか?
津:依存症にならないことが大切です。
なる前に防ぎましょう!
依存症は、なってしまうと完治するのは難しいです。
森:なるほど。
依存してしまった場合や依存症になりかけの場合、
依存対象となる行動は少なめにしたほうがいいんでしょうか。
津:これは僕の考えですが…
依存対象は、完全にやめたほうがいいと思っています。
「少しだけにしておこう。」と考えていると余計に苦しくなります。
もう一生断つつもりでいたほうが、結果的に楽になります。
自助グループでも、逮捕された方が楽だと考える人もいる位です。
そしたら物理的に依存対象に手を出せないからですね。
ただ、一回手を出してしまったからといって「もうダメだ」と投げやりになる必要はありません。
手を出してしまっても、またその日から依存対象から離れる生活を始めればいいんです。
何回でも、始めることができるんです。
津島先生、ありがとうございました!
シミのケアなら、トーニングがオススメです!
漫画家
「セックス依存症になりました。」では
自身の性依存症の体験を漫画にし、様々なメディアで注目を浴びる。
性依存症の認知を広める為、SNSでも情報を発信している。
(予約が埋まっていても診察可能ですのでお気軽にお越しください。)
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